毎年6月1日、いち利ではスタッフ全員夏物の半衿に付け替えます。顔周りが断然すっきりして、夏の到来を感じるころです。
もっとも夏の前に、着物好きにとっては一年で一番憂鬱な季節…梅雨が控えているのですけれど。
私は生まれつき!?晴れ女で、傘を持たずに出かけても、まず困ったことがないくらいなのです。
ですから、あまり雨の場合を心配したことがなかったのですよね。
そのせいで、いち利のおでかけイベントで大変な目にあったことが…。
数年前、浜離宮恩賜庭園へのおでかけ企画のこと。
朝からあいにくの雨で、舗装していない庭園の砂利道はドロドロの状態に。でも、そこを突っ切らないと地下鉄の駅にたどり着けないのです。
雨が降ったら目的地を変えるとか、別のルートを確認しておくとかすればよかった…と泥道を歩きながら猛反省。
今では、いち利のおでかけは雨の場合のことも考えて企画していますのでご心配なく!!
でも、不思議なものでそのときご参加の方々とは、すごーく強い絆で結ばれたんですよ。
「あのときは大変だったわよね!」って。困難を乗り越えた同志みたいな感じかしら。
というわけで…やっぱり着物を楽しむには、最低限の雨支度は必要です。
雨コートと雨草履。最低限の一そろいでいいのです。
雨コートは、何枚もいりませんから、ご自分の寸法に合ったちゃんとしたものを一枚用意したいですね。
お安い出来上がりのコートなどもありますが、寸法が合わなければ結局買い直しになって不経済です。
いち利のオリジナルコート「楽雨」は、手軽に寸法の合う雨コートをお持ちいただくために、二部式になっています。
普段は上だけで塵除けがわりとして。雨が降ったらさっと裾除けを巻いていただけるので便利ですよ。
このごろ、着物は持っているけれどコートはない。または、着丈の短いコートしかないので着ない、という方も増えていますね。
ですけど、お洋服のときも電車に乗って出かけるとなったら、ブラウスだけでなくジャケットやコートを羽織られるでしょう。着物も同じです。
きちっとしたコートをお召しの方は「きっと中のお着物も素敵なのね」と思われているもの。逆もまた然り、です。
お気に入りの素敵な着物をお作りになったら、コートもしっかりしたものをお選びになってみてください。
雨草履は、サイズの合う歩きやすいものを一足。場合によっては、普段の草履を持参して目的地に着いたら履き替えましょう。
草履をすっぽり包むカバーは、お安く便利なようですけれど、着脱のとき手が汚れてしまうのが難点。
なんでもそうですけれど、中途半端なものよりは、きちんと自分に合うものを見極めて大切に使うのが一番ですよね。
そのほか、私が雨の日に用意するのは、タオル、荷物をまとめる大きめのエコバッグ、それから裾をからげるクリップ。
これくらい準備しておけば、「雨の日のおでかけ」は、けしてこわくありません。
6月は、お祝いごとやお集まりも多い季節です。「雨だから着物は着ない」なんてもったいないですよ!