2025年10月掲載実は大事な長襦袢の身丈問題

今回は意外と大事な「長襦袢の身丈」についてお話したいと思います。

着物の寸法は皆様気になさいますけれど、長襦袢は見えないものですから、ついなおざりにされがちなのではないでしょうか。

先日お客様に質問されたのは、衣紋の抜け方で長襦袢の身丈が違ってしまうという問題。衣紋を大きく抜けば前が短くなったりしてしまうことも。また同じ身長でも肩の厚みで身丈が変わりますし、着方や体型で実は必要な長襦袢の身丈は変わってしまうものなのです。

昔は結構短い身丈の長襦袢が多かった気がいたします。私も昔は、今思うと「えっ」と思うくらい短いものを着ていました。そのあたりは結構適当だったのかもしれないですね。

でも、今は着物の裾汚れや痛みを防ぐために、着物よりは短いけれど、くるぶしくらいまではあるとよいとされています。やはり足が直接着物に触れないようにしたいもの。

着物と違っておはしょりなどで調整はしないものですから、長襦袢の身丈こそ自分のジャストサイズの寸法を知っておきたいものです。身丈もそうですが、袖丈や身幅、また肩幅と袖幅の割り振りなども大切です。寸法があっていれば、袖から襦袢が飛び出してしまったりすることも防げます。

長襦袢は外から見えるものではないですが、素敵な柄や色、素材のものを身につけていると気持ちもあがります。

また、自分からは見えないけれど、人からは見えるのが袖口と振り。着物にぴたっと沿って、美しい色がこぼれていたら、おしゃれではっと目を奪われてしまいます。昔の映画などでもよく、赤い襦袢の色が印象的に使われていたりもしましたよね。

初心者の頃はやはり着物や帯にばかり気をとられがちですけれど、だんだんと上級者になってくると襦袢や肌着のお洒落にも気を配り始めるもの。お気に入りの襦袢を着た日は気分もよいものです。

今は本当に様々な色や素材の襦袢があり、お手頃になりました。ラメ糸でキラキラと光る爽竹のkirakira長襦袢など、本当に身につけるだけで楽しくなってしまいます。ぜひ、着物を守る為に自分にぴったりあった寸法の長襦袢で、ワンランク上の着物のお洒落を楽しんでくださいませ。