
「半衿つけが面倒、うまくできない、何を選んだらいいかわからない」というお悩みをよく伺います。衿元はとっても大事。衿元美人という言葉があるくらい、どんな素敵な着物を着ていても衿元がぐだぐだだったりするとちょっと残念ですよね。
逆に衿元がピシッとしていて、半衿が素敵だと着物姿がぐんとランクアップします。今回はそんな半衿のおはなしをさせていただきますね。
白い半衿はスタンダードですけれど、ちょっと遊び心のある柄の入った半衿でおしゃれを楽しみたい時もありますよね。色柄の半衿を楽しんだり、刺繍の入った半衿をたっぷり見せたり。私もNHKの朝ドラ「ごちそうさん」を見て、昭和の半衿のおしゃれがいいなあと思って色柄の半衿を使うようになりました。
そもそも半衿ってなんのためにあるのということですが、もちろんお顔に近いところで顔色をよく見せたりポイントになったりというのもありますが、一番には着物を守る役割が大きいと思っています。
汗や皮脂汚れ、ファンデーションなどがついてしまったりすると着物はしょっちゅうは洗えませんから、半衿が汚れを防いでくれるというわけです。ですから白い衿は昔は本当にフォーマルなもので、普段は汚れが目立たない色半衿やあまり布などを使ったり、おしゃれでもあるけれどそういう半衿が実用的でもあったんでしょうね。
おしゃれ半衿をどう合わせていいかわからないときは、着物の色を1色とったり、半衿と同じ色を小物で入れたりすると馴染みやすいです。すごくオシャレに半衿をコーディネートしている方がいらっしゃると、本当に参考になりますね。
色半衿は着物も選びますし難易度が高いですから、白地にワンポイントの柄や刺繍が入ったものだと使いやすいです。季節にちなんだ柄などが入っていると、いいですね、なんてよくお声をかけていただいたりします。
あとは、季節の変わり目になると、よく聞かれるのが半衿はどうしたらいいかというお悩みです。昔は衣替えの暦に従っていつから絽、いつから塩瀬、というような切り替えをしたものですが、最近はもういつから暑くなるか寒くなるかという判断もつきにくくなってきました。
カジュアルであれば衣替えに関係のないレースの半衿にすると、季節を気にしなくてもよくなります。半衿の付け替えが面倒という方はもう1年中レースの半衿にしてもいいかもしれませんね。私も結構レースの半衿を使っていますよ。
フォーマルなシーンや、習い事などのグループではいろいろな考え方がありますから、そのグループではどうしているかというのを聞いてあわせるのが無難ですね。
例えば結婚式で留袖を着る場合、最近は白や金の刺繍が入った半衿をされる方も増えています。私自身はご親戚の立場ならいいけれど親御さんは白半衿がいいのではないかと思いますが、それも時代の変化やその方の価値観ですし、納得のいくものをお使いになるといいと思います。
そして、共通して大事なのはだぶついたりせずピシッと半衿がついていること。と、いうのはわかっていても、半衿つけが難しい……。でも、意外と慣れれば大丈夫なものです。Youtubeでもご紹介していますが、ちょっとしたコツを掴めばできるようになりますよ。
半衿って面倒だなと敬遠しないで、半衿もオシャレアイテムのの一つと思ってコーディネイトしてみると着物ライフも幅が広がりますよ。是非お試しくださいな