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2024年11月掲載防寒と兼用もOK!
イマドキの雨コート事情


皆様、雨コートはどのようなものをお使いでしょうか? 昔は雨専用の生地を雨コートに仕立てたものですけれど、今はいろいろな種類があります。

まず素材ですが、ポリエステルの撥水加工の生地はしっかりと雨を防いでくれて安心ですね。ただ、さすがに真夏には暑いと感じます。正絹に防水加工を施したものは、それに比べると通気性があって快適です。着心地もいいですね。

形は上下に別れた二部式と、フルレングスの一部式があります。


▼二部式のコート

二部式のコートは、裾の長さも調整しやすいし、上下分けて使えて便利です。雨ではない時に上だけを通常のコートとして使うこともできます。生地をたくさん使うので一反から二部式コートは作れないため、既製品がほとんど。ポリエステルの撥水生地で作られたものが多くお手頃ですが、どうしても着姿がお誂えのものに比べるとピッタリというわけにはいきません。それと、まず下の裾除けをつけて、上を羽織って……と着るのにもちょっと手間がかかりますし、持ち歩きもかさばります。


▼一部式のコート

一部式は撥水生地の既製品もありますが、自分の身丈にピッタリ合わせようとするとお誂えがおすすめです。気に入った正絹の生地に防水加工をすればよいので、色柄を選べば普通のコートと兼用することもできます。ちょっと今日は天気がどうなるかわからないな、という日も着ておでかけすれば安心ですね。畳めば二部式よりコンパクトです。
ただ、防水加工を施すものなので、長くお使いいただく間には効果が薄れていきますので加工をしなおす必要もあるかと思います。私も若い頃の真っ赤な雨コートを引っ張り出して着たら、雨に濡れたら色落ちして足袋が赤くなってしまったことがあります。やはり何十年も経つと防水も色止めも、加工したものは効果がなくなってしまうのだなと実感しました。
ポリエステルなどの撥水加工の生地もずっと使っていると撥水効果が薄れてきます。そんなときは熱を加えるとよいそうです。アイロンをかけると撥水加工が復活するそうですが、今は便利なスプレーもあるのでお使いになるのも良いかもしれません。


昔は雨コートといえば厚めの専用の生地で仕立てたもので、見ただけで「雨コートだわ」とわかったものですが、今は色柄も豊富ですし特に正絹生地のものなどは一見そうは見えません。

ですから、これからの時期は防寒用と兼用でもいいですよね。私も昔はウールのコートも着ていましたが、今は冬でも電車の中や室内が暑いくらいの時もありますから、紬で仕立てたコートを愛用しています。電車の中で暑いからといってコートは脱ぎづらいですものね。寒かったらショールを羽織るなどして、調整をするようにしています。雨コートを防寒用として着てもよいと思います。

これからの時期にお使いになるのであれば、仕立てる生地を選んで、最初から雨と防寒を兼ねたコートを考えてみるのもおすすめですよ。