2018年1月掲載謹賀新年。一年の計は正月にあり!
着物支度もスムーズに美しく。


皆様、明けましておめでとうございます。
今日は正月三日。皆様よいお正月をお迎えのこととお慶び申し上げます。

いち利本店は本日より初売スタート、7日までの開催です。心斎橋店は明日4日から7日、福岡天神店は三連休の6日~8日と少しずつ日は異なりますが、それぞれイベントをしたり福袋が並んだり。スタッフも皆、ふだんの紬ではなくそれぞれ精一杯に新年の晴れ着をまとって店内はぐっと華やいでいます。
私も今日はお気に入りの訪問着で皆様をお迎えしておりますので、お近くの方はぜひ遊びにいらしてくださいませ。

さて、このコラムでお正月の挨拶をいたしますのも、3回目となりました。読み返しますと、前回、前々回と晴れ着のコーディネート、そして「もったいないと思わずに晴れ着を着ましょう」とお話させていただきました。
三が日に限らず、一月の間は正月歌舞伎や初釜、お友達との新年会など、何かと晴れがましい行事やお集まりが多いですね。特別あらたまった訪問着でなくとも、「これはよそゆき」と大事になさっているお着物や帯を身に着けると、ご自身の気持ちが華やぐことはもちろん、周囲の方や、たとえば観劇なら役者さんも嬉しいのです。だって、ふだんは大切にしまっておられる美しい着物を、今日この席のために身にまとって来てくださったのですもの。相手のためにきちんと装うというのは、相手を尊重する心遣いを表す日本文化のひとつだと思います。

皆様、この一月にぜひそんな機会をお作りになりませんか?しまいっぱなしのお着物や帯に風を通して点検することにもなり、いいことづくめですよ。
そして、せっかくよそゆきでおでかけになるなら、いつも以上に準備は万端に。なんといってもお正月ですもの。着物初めがバタバタでは、今年一年が思いやられてしまいますから。

まずは前日のお支度が何より大切です。肌着類や小物などは全てそろっていますか?
昔は新年に新しい肌着を下ろしました。気づくと何年も、もしかしたら何十年も使い続けている肌着や足袋、伊達〆などを新しくするには、お正月はいいきっかけです。大切なよそゆきの下に真新しい肌着や足袋を着けるのは、おめでたい新年にふさわしく気持ちがいいですものね。
長襦袢にもさっぱりと、新品の衿を掛けておきましょう。
着物と帯もたとう紙から出してしわやシミ、ほつれがないか点検してから、着る順番にきちんとたたんでおきます。「折り目正しく」というように、美しい着姿にはあるべき場所の折り目が大切なんですよ。

前日の準備で、当日の着付けはだいぶスムーズになることと思います。
けれど、着慣れないよそゆきの着物は生地も重くやわらかいですし、ふだん着の紬とは勝手が違うかもしれません。

よそゆき着物をきちんと美しく着るには、いくつかコツがあります。
たとえば、衿芯を少し固めのものにすること。長襦袢によって地衿の固さが異なりますから、あらかじめご自身でちょうどいい衿芯の固さを見極めることです。
衿芯にしっかり張りがあれば、重めの生地でもしっかり支えて鎖骨のへこみまでカバーしてくれますから、肩から胸元のラインにしわが出にくくなります。

ふだん着なら、多少のしわやゆるっとした着付けもありですが、よそゆきではちょっとだらしない感じに見えてしまいます。タオルをがっちり入れる補正はイマドキではありませんが、大抵の方なら着物や長襦袢の余った部分を上手に使うことで補正なしでも十分美しく着付けることができます。
これは、大久保信子先生もよくおっしゃることですが、
「着物や長襦袢、肌着、そしてご自分のお肉。すべてが補正になるんですよ」
本当にそのとおりで、余計なものをどんどん足すよりもすっきりスリムに見えますし、一日着物を着ていてもラクなのです。

たとえば、肩や胸にタオルやパッドを入れなくても、寄せ上げ効果がしっかりある和装ブラで、高い位置にポイントがある美しい鳩胸が出来上がったり、分厚いヒップパッドを使わず、帯結びのときに後ろ板を一枚入れるだけでしわやへこみのない美しい後姿が作れたりするんですよ。

さて、大切なよそゆきですから、脱いだあとの始末もいつも以上にていねいに。
汚れやすい衿、袖口、裾はやわらかい布でやさしく拭っておきます。
着物は着物ハンガーに掛け、全体に軽くブラシを掛けるなどしてほこりを落とします。あくまで力をいれずに、軽く!このとき、シミやしわの点検もしておきましょう。

帯は一度四つ折にたたんで、手のしでしわを伸ばしてから、ハンガーに掛けます。どちらも着た時間の倍を目安に掛けておき湿気を飛ばします。あまり何日も掛けっぱなしでは、着物の裾が袋になったりしますから気をつけて!
干し終わったら、着物はまた正しい折り目でたたんでおきます。折れ線がずれてしまっておかしなしわがついている方、けっこういらっしゃいます。衿の後ろ、くりこしなどは特に注意したいポイントです。
帯は、お太鼓の位置を決めたらそこを折らないようにたたみます。大事なお太鼓柄に折れ線が入っては台無しですから、持ち運ぶときも折らないように気をつけてくださいね。

それから、皆様忘れがちなのが草履のお手入れです。濡れた道を歩いた後は、よく乾かしてからしまいます。台はこまめに拭いておくときれいに長持ちします。靴を磨くのと一緒ですね。
花緒はどうしても傷んできますが、台はそのまま、花緒だけ交換して長く履けば経済的です。

着付けのコツやたたみ方などは、どうしても言葉だけではお伝えしにくく、もどかしいところです。ご遠方の方には申し訳ないのですが、銀座、心斎橋、福岡天神いずれかのお近くにお住まいの方は、1月、2月、3月と各店で今回の内容も交えて着付けと始末の実践講座をいたしますので、よろしければぜひご参加くださいませ。

「銀座の女将 きもの知恵袋」実践講座の日程は下記のとおりです。各店で募集開始時期が異なりますのでご注意くださいませ。

1/14(日) 心斎橋店 (募集中
2/4(日) 銀座本店 (1月下旬より募集開始予定)
3/11(日) 福岡天神店(2月下旬より募集開始予定)

どの講座も、ご質問大募集中です!
皆様と美味しいランチもご一緒する予定ですので、今からとっても楽しみにしております。来月のコラムでは、心斎橋店でのイベントの様子もお伝えできると思いますので、どうぞご覧になってくださいませ。
それでは皆様、今年も「きもの知恵袋」をどうぞよろしくお願いいたします。

今月のおすすめコーディネート

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