師走に入り、街はクリスマスムード一色ですね。いち利のスタッフも、帯留や半衿などちょっとしたところにクリスマスの小物を取り入れて楽しんでいます。
せっかくのクリスマス、皆様もぜひお集まりやお出かけにはお着物をお召しになりませんか。
久しぶりに袖を通される方にとっては、着付けがスムーズに美しくできるかしら、というのは悩ましいところですよね。特にお集まりですと約束のお時間もありますし、焦れば焦るほどうまくいかない、なんて経験は誰しもお持ちではないでしょうか。
よそゆき、カジュアルに関わらず「早くきれいに」着物を着たいというのは私たちの永遠の課題ですね。
私たちいち利のスタッフは、毎日着物を着ています。
朝は限られた時間の中で着付けをし、一日立ち働いております。そんな皆が口を揃えるのが「ぴったりサイズの着物は早くきれいに着られて、しかも着崩れしない!」ということです。
さて、皆様はご自分の着物寸法をご存知でしょうか?
これ!という寸法をご存知の方ばかりでなく、呉服屋さんにお任せの方、譲り受けられたお着物が多く寸法がまちまちの方などもいらっしゃると思います。
まず、呉服屋さんで初めて着物を仕立てるときには、お体の実寸から着物の寸法を割り出します。主な基準になるのは身長、バスト、ヒップ、肩裄(背中心から手首まで)の4箇所です。
といっても、人それぞれ体つきは千差万別ですし、肉付きや腰の位置、ご年齢や着方のくせなどでも着姿が変わってきます。実際に着て動いてみて、着姿や着心地を確かめることが大切です。
一方、いろいろなサイズのお着物をお持ちの方は、ご自分に合うサイズかどうか、ぴったりでなくとも許容範囲かどうかを判断しなければなりませんね。
着物寸法の基本的なチェックポイントは、以下の4つです。羽織るだけでなく、ちゃんとお着物を着付けてから確認してみてくださいね!
①身幅 下前の左端が左腿の脇までしっかりかぶっているか?
下前が左腿にかぶっていないと、歩くたびに下前が腿の間に巻き込まれて前がはだけてきます。
②身丈 腰紐が上前の衿先より上を締めている状態でおはしょりの長さはちょうどいいか?
身丈は、ご自分の身長と同じくらいがだいたいの目安といわれます。
短いとおはしょりが作れませんし、長すぎても腰紐で衿先をしっかりおさえることができず、着崩れの原因になります。
③肩裄 腕を斜め45度下に下ろした状態で手首のくるぶしが隠れるくらいか?
短いのは不恰好ですが、手のひらにかかるほど長すぎてもだらしなく見えます。
④衣紋 適度に抜けているか?
衣紋が詰まりすぎる場合は、くりこしが少ないかもしれません。
いかがでしたか?
「着物はフリーサイズ」と思っている方もいらっしゃるのですが、それはあくまで「多少の寸法の差はテクニックでカバーできる」ということです。「テクニックで」というところが重要なのですよ~!
マイサイズであれば、さっさっと上前と下前を合わせれば脇線がぴたりと決まりますし、腰骨の上のおさまりのいい位置に腰紐を締めればおはしょりがちょうど良い長さになり、動いているうちにずり落ちてくるということも少ないのです。
反対に、サイズの合わないものを着るのは時間がかかる上に、着崩れも起こりやすいでしょう。
もしかしたら貴女の着付けのお悩みは、寸法を合わせればすっきり解消するかもしれませんよ!
次回は<上級編>です。
体型別のお仕立てのポイントや、着姿をすらりと美しく見せるコツをお話しいたします。お楽しみに!