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2015年10月掲載大久保信子先生×女将のトークショー
~いつまでも美しく!自分をデザインする着付~


あいにくの空模様となった三連休でしたが、一雨ごとに気温がぐっと下がり深まる秋を感じます。着物も袷に衣替え。お気に入りの着物でお出掛けするのが楽しみですね。

さて今回は、先週に引き続きいち利本店7周年記念イベントとして開催されましたトークショーのもようを、ダイジェストでお届けいたします。

9/27(日)は、大久保信子先生をお迎えし「自分をデザインする着付」と題してお話を伺いました。
大久保先生には、いち利の開店からご縁を頂いており、今回も7年目という節目にあたってぜひ大久保先生にご登場頂きたい!とお忙しいスケジュールをおしてお願いいたしました。
実際に着付けの極意をご披露いただきながらのお話とあって、当日は超満員の大盛況でした。


女将:大久保先生はちゃきちゃきの江戸っ子でいらして、日本橋で三代続く木綿問屋さんのお嬢様なんですね。学習院の英米文学科をお出になったということで、ハイカラな女学生さんだったんじゃないかなと想像されますけれども。
小さい頃から歌舞伎や日本舞踊が大好きで、そういうところから深い着物の知識と美意識をお持ちで、ずっと長く活躍されていらっしゃるんじゃないかと思います。
「着物スタイリスト」という言葉は、大久保先生のために作られたというくらい、草分け的な存在で今も第一人者といって過言ではないと思います。
先生のお人柄も含めて根強いファンがたくさんいらっしゃいますが、今日は先生のお力をお借りして、皆様にもっと美しく、さらに着物ライフを楽しんでいただけたらいいなと思います。

大久保先生:『七緒』っていう本を作ったときに、雑誌社の方が色々スポンサーを探したんですけれどどこもダメで、いち利さんだけが「じゃあやりましょう」って言って良い着物をたくさん貸してくだすってね。それがご縁でずっとお付き合いさせていただいています。今日は初めて「女将との対談」をしながら、着物のあれこれをね、お話していきたいなと思っております。


「十人十色の着付」

大久保先生:さて、今日のテーマは…
女将:はい。「十人十色」ということで。
女将:様々な体型や年齢があり、悩みはつきないですけれども…
大久保先生:そうですね。なかなかね、これで良いっていうのが、着物はないですからね。
売れっ子の女優さんというのは、何万人に一人、顔もきれいだし身体もという方、着物を着せてもいいし洋服着てもいいという方がトップ女優になります。
女将:何万人に一人!(笑)
大久保先生:一般の方は、十人十色の体型があります。それぞれが、美しく、着やすく、着心地良く着崩れしない、そういうふうに、チャカチャカっと自分で着てお出掛けになる。それが大切なことだなあと思います。
あなたにはあなたにしか似合わない着付がある。それを自分で見つけていってください。自分に一一番似合うというのは、たとえば二十歳のときの着方と、五十代六十代の熟女になったときの着方は違います。まず体型が変わりますから。それは実感なさいますでしょ。
着物っていうのは形が同じですから、どういうふうに衿をもっていくか、帯の高さをどうするか。そういうことで、自分の衰えを美に変えながら着ていくのが着物です。
その年齢にふさわしい着方をしていただきたい。それは、自分で勉強して、あなたにしかない着付を身につけてください。

「礼装とカジュアル」

女将:着物ではTPOというのもありますけれども…
大久保先生:礼装は格調高く着ます。カジュアルに着るというのは「お洒落」に着る。「こうして着なきゃいけない」じゃないです、お洒落は。自分流に着ていけばいい。だけど人から見て「あの人なんだか崩れた着方してるわ」じゃなくて、その方なりの美しさ、それは「苦しくなく、着心地がよくて、着崩れない」、その3つが大事ですね。
女将:先生がよくおっしゃる「3K」ですね。

「楚々とした風情を」
女将:まずは下着から、なんて思うんですけれども。
大久保先生:補正というが世の中ありますね。あれは、大舞台、たとえば歌舞伎役者とかが立派な役をやるときに補正をします。舞台は最低でも6メーター離れていますから、舞台に対しての補正なんですね。皆様は直ですから。1メーターくらいでしょう。
私は、痩せている女優さんでもほとんど補正をしません。腰紐の結び目、伊達締めの厚さ、おはしょりの余り…全部が補正になります。それをたくさん補正しちゃうと、向こうから来たときに「あ、立派な女が来た」となっちゃう。やっぱり、日本の楚々とした女の表情が出るといいですね。
それから、品のある着方と品のない着方というのがあります。やはり、年齢や職業によって着方が違いますから、それをわきまえるということです。


…というところから、着付け実践講座へ。「さらしは肌着の上に巻くとずれない」「身体に巻くものは前下がり後上がりだと良く締まる」「衿芯は3分の1の長さにカットして首を長く見せる」などなど、目からウロコの裏技が次から次へと飛び出し、皆様熱心にメモをとっておられました。
その中で、先生が何度もおっしゃっていたのが「自分で工夫する」「知恵を使う」ということ。
きっと、この創意工夫、美に対する飽くなき探究心こそが、先生が多くの一流女優から絶大な信頼を得ていらっしゃる理由の一つではないかしらと思った一日でした。

さて、次回は晩秋から冬に向かってのコーディネートなどをご紹介したいと思います。寒暖の差が激しくなる時期、ひと工夫でお出掛けがぐっと快適になりますよ。