• 送料・お届けについて

    商品代金5,500円(税込)以上ご購入で送料無料!

    お届けについて
  • 仕立て代金について

    帯のお仕立て3,300円から承っております

    価格表
  • お支払について

    銀行振込、コンビニ決済、クレジットカード決済、 GMO後払い、AmazonPay、PayPayの6種類からお選び頂けます。

    お支払い方法

2016年10月掲載秋の衣替え。女将直伝仕分け術!
「賞味期限」を見極めよう。


皆様、こんにちは。街はまだ半袖の人も多いですが、暦の上の着物支度は10月1日から袷となります。
紅葉狩りやクリスマスに何を着ようか、思いを巡らせながらの衣替えは心が浮き立ちますね。

さて、せっかく衣替えでたんすを開けたら、お手持ちの着物や小物を整理してみませんか。
特に「たんすはパンパンなのに、出掛けるときは着るものがない!」という方は、アイテムの「賞味期限」を見極めて仕分けをすることをおすすめいたします。

その1「時代の賞味期限」
バブルの頃、皆が持っていた肩パッド入りジャケット。でも、今それを着てお出かけすることはありませんね。うんと流行したアイテムほど、流行が終われば使いにくくなるものです。
着物だと「金銀の八寸名古屋帯」や「丈の短い朱色の道行」がそれに当たるでしょう。
何にでも合わせられると当時はお嫁入りの必需品でしたが、今となっては時代を強く感じさせてしまい、そのままコーディネートに取り入れるのはちょっと難しいです。

その2「年代の賞味期限」
濃ピンクの色無地、朱赤の附下などお嫁入りの一式がこれに当たる方も多いでしょう。
「ほとんど着ていないからもったいないわ」とよく伺うのですが、それらはやっぱり初々しい若奥様のための色柄です。
振袖の袖を切って訪問着にというご相談もたまに承りますが、これもお召しになれるのは第一子がまだ小さい頃まで。振袖は似つかわしい世代の方が一番美しく着こなされるものです。どうしても袖を短くしたいなら、切らずに縫い込むお直しをおすすめします。

その3「状態の賞味期限」
着物や帯のシミや汚れは皆様気を付けていても、帯〆帯揚など徐々に傷みが出る小物は気付くと意外に古びていたりします。小物はセンスが出るところ。そんなに高価ではありませんし、小ざっぱりとしたTPOに合うものを揃えておきたいですね。
それから着付け小物。汚れたり壊れたりでなくても、あまりに古めかしいものは周りから見るとちょっと気になります。今は帯枕や前板など苦労せずに美しく着付けられるよう進化した商品がたくさん出ていますよ。


3つの「賞味期限」いかがですか。貴女のたんすにも「いつか着ると思っていたけどこれは期限切れかも…」というものがありましたでしょうか。
どれもお召しになって「間違い」ではないのです。
着物は洋服と異なり形はずっと同じなので流行遅れでも気付きにくいですし、高価な絹物ですから少々傷んでも「もったいない」とお召しになるかもしれません。
けれど、本来の美しさの期限が切れた品物を無理に着るのは、やはり素敵には見えないものです。

そして、着物の場合こわいのが、周りの方はあら?と思ってもけして口には出さないということ。
もしずばっと指摘されたら、それは貴女を本当に思ってくださる方ですよ!(言われたら心傷つきますけど…)
昔は「その色若すぎるわよ」なんて口うるさい親戚の伯母さんが身近にいましたけれど、今の時代は誰も着物のアドバイスをしてくれません。お母様世代でも、着物は日々の生活から遠いものになってしまいましたから。

せっかく着物を着るなら少しでも美しく見せたい。お洒落に着こなしたい。
それならばまずは、洋服のお洒落を楽しむのと同じように、雑誌やテレビの着こなしを見たり周りの方を観察することです。流行の色柄はもちろん年代ごとの色合わせもヒントにして。たくさん見ることでセンスが磨かれます。
もしわからないことがあれば私たちプロになんでもご相談ください。手前味噌ですけれど、いち利のスタッフは皆毎日着物で生活していますので、実体験を交えてお話できることも多いと思います。

そして「期限切れ」だけれどお気に入りのアイテムは、どうしたら活用できるかご一緒に考えましょう。
短い丈のコートは帯にリメイクしたり、鮮やか過ぎる色はシックに染め替えることができます。
寸法の合わない着物は仕立直しと合わせて洗い張りをすれば、絹本来のふっくらとした風合いがよみがえります
「期限切れの見極め」とは、そのものを生かし新しい寿命を与えてあげることでもあるのです。たんすに眠ったままの着物たち、この機会に見直してあげませんか?