2016年11月掲載

TPOに合わせて着回し自在!御召一枚でいまどきコーデ


皆様、こんにちは。
11月に入り急速に秋が深まるのを感じます。袷に羽織を重ねても汗ばむことなく、やっと快適に着物が着られるのが嬉しいこの頃。街でも着物姿の方を多くお見かけするようになりました。

さて、11月15日は「きものの日」とされているのをご存知ですか?
昭和41年に全日本きもの振興会が制定したもので、「七五三の日にご家族で着物を着てほしい」という思いが込められているそうです。七五三を始め、11月は行事やお呼ばれ、美術展やお芝居…着物を着る機会がたくさん。気候も良く、自然と着物でお出かけしたい気持ちになりますね。

一方で、ご家族の記念には少しあらたまった装い、お芝居なら肩肘張らずにお洒落な感じと、場面に合わせた装いに迷うのもこの季節です。
昔は、TPOに合わせてそれぞれ不都合のないようにとお嫁入りの一式を揃えたものですが、今はそんなにあれこれ着物を用意する時代ではありません。第一、着用機会が限られた着物がたくさんあるのも、収納やお手入れに困ってしまいますよね。

ちょっとした席にも失礼でなく、派手すぎず地味すぎず、帯次第で街着にもなる…そんな理想の一枚。
私なら、迷わず「御召」をおすすめいたします。

最近は着物雑誌などでも特集される御召ですが、どんなものかまず簡単にご紹介いたしますね。
御召は先染めの糸で柄を織り出す「織の着物」です。
本来の御召は強く撚りのかかった糸「御召緯」で織り上げますので、独特の張りやツヤ、シャリ感があります。軽やかで着心地良く、シワの戻りが早いのも特徴です。
一方で、縮緬の糸や紬の糸で織ったものも、「先染めの糸で柄を織り出す」という条件を満たせば「御召」と呼ばれる場合があります。少しややこしいですが、同じ御召という名前の反物でも生地の風合いや色柄がかなり異なる場合がありますから、お選びになる際は産地や糸の種類、手触りや質感などをお確かめになってくださいね。

さて、「織の着物=カジュアル」とされますが、御召は江戸時代に将軍様が好んでお召しになったことから「御召」と呼ばれ、織の着物の中でも格が高いものです。色柄を選べばセミフォーマルまで着用いただけます。
昔は、江戸小紋が「カジュアルからセミフォーマルまで着られる便利な一枚」の代表格で、お嫁入りには皆用意したものです。
現在も江戸小紋は一枚あると重宝ですが、着物でお洒落をしたい!という方にとっては少し地味に感じられるかもしれませんね。

御召は、程よい光沢感がありますのでシンプルな色柄でも地味になりすぎません。昔の御召は黒っぽい色柄が多かったのですが、最近はきれいな色で洒落たデザインが増えています。
しゃきっと張りのある生地は初心者さんでも着付けやすく、都会的な着姿に仕上がるのも魅力です。
最初の一枚なら、シンプルな幾何学模様がおすすめです。帯はもちろん、長羽織なども合わせやすいですよ。

今お読みいただいている皆様のご年代は様々と思いますが、ご自分が主役としてお着物をお召しになることは少ないのではないでしょうか。
お子様やお孫様のお祝いでは、ママはお子様より控えめに、おばあちゃまはママよりも控えめにされますね。また、お若いときはフォーマルというと訪問着や附下の華やかな装いだったのが、40代、50代とお年を重ねるにつれて年齢やお立場をわきまえた装いが求められることでしょう。
もちろん外出着としての着物も、頑張りすぎていると思われないようにさりげなく着こなしたいですよね。

かといって、あまりに控えめ地味めではつまりません。特に最近は女性がどんどん若々しくなっていますから、10歳若めの装いがちょうどいいくらいです。なんといっても着物はお洒落のために着るのですから、お召しになる方が素敵に輝いて見えないと意味がありませんもの。

そんなとき御召が一枚あると、年齢にふさわしい上品なお洒落が楽しめます。
品格ある袋帯でお正月やお茶席に、華やかな袋帯でレストランウエディングやクリスマスに、気軽な名古屋帯で美術館やお食事など…
帯をポイントにするだけで、シンプルだけれどかっこいい今風のコーデが出来上がりますので、着物初心者さんでも失敗なし!少し物足りなく感じたら、刺繍や柄の半衿を入れたり、長羽織をちょっと華やかな柄物にしたりとアレンジも自在です。

本当は今回のテーマは「TPOに合わせた着物と帯のご提案」だったのですが、御召一枚でいいんじゃない!?という結論になってしまいました。でも、それが現代女性のライフスタイルに合っているということかしらと思います。
お着物一枚を新調するのは気軽なことではありませんけれど、だからこその「御召」。どうぞ一度お手に取ってみてくださいね。

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