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2018年6月掲載夏の薄物を素敵に着こなす
長襦袢・肌着・着付けの秘訣


もうすぐ入梅。蒸し暑さに汗びっしょりになったり、出かけようと思うと雨に降られたり…着物好きには一年で一番悩ましい季節がやってまいります。
一方で、6/1から小物、帯、そして着物と、順々に夏物に替わり、身にまとうものが軽く、風通しよくなっていく変化を肌で感じるのは、この時期ならではの楽しみでもありますね。
本来、6月は袷の着物と同じような生地を裏を付けずに仕立てた単衣の着物、7・8月は絽、紗、麻など盛夏の着物と言われますが、最近は万事ゆるやかに、気候に合わせて快適に過ごしましょうという流れです。
6月下旬から月末にかけての気軽なおでかけでは、気温に合わせて麻や絽、透け感のある夏紬などの装いも季節先取りで良いのではないでしょうか。

さてそうなりますと、透ける夏の着物支度をそろそろ考えなければなりません。ときどき「透ける生地はちょっと…」としり込みされる方もいらっしゃいますが、全身を布地で覆いながらも周囲に涼を感じさせるのは、着物独特の美しい透け感があるからこそです。
今回は、夏の着物を素敵に着こなす最大の(!?)ポイント、「透け」対策についてご紹介したいと思います。

さて、透ける着物といっても、その透け具合は生地、そして色柄によって様々です。けれど共通して言えるのは、「夏物はご自身で思っているよりも透けている」ということ。
室内でチェックして大丈夫!と思われても、外に出て日差しが当たると周りの方からは足首、手首、背中の衣紋抜きなど、はっきり見えてしまいます。そしてどんなに見えていても、「あなた、見えていますよ」とは誰も口にしないものなのです。
私も若いころ、家を出る前に何度も確かめて「よし!大丈夫」と出かけたのに、写真には長襦袢の衣紋抜きのラインがくっきりしっかり写っていて、とても恥ずかしい思いをしたことがございました。
でも、必要以上に怖がらなくても大丈夫。一番の秘訣は、夏こそ寸法の合う長襦袢をきちんとお召しになることです。

まず、二部式長襦袢をご愛用の方は、夏には避けておいたほうが無難でしょう。袖付や腰の切り替えなどがはっきりうつってしまいます。夏には爽竹など手軽なものでも十分ですので、ぜひご自身の寸法に合った一部式の長襦袢をご用意ください。
その際、袷用の長襦袢の身丈を短めにお仕立ての方は要注意!先ほども申しましたように、夏の透ける着物で足首がニョキッと見えてしまうのは、どうにも格好悪いのです。

昔、着物が常着だったときには、長襦袢は短めに仕立てることも多かったのです。普段働きながら着るものですから着物自体を動きやすいよう短めに着付けますし、その下の長襦袢も身丈と裄がはみ出なければいいくらいの感覚で、そんなに細かくは気にしていなかったのでしょうね。

現代の私たちにとっては、「ふだんの着物」でカジュアルな場に行くとしても、それはやっぱりお洒落をして楽しむためのもの。昔の働き着のように短く着ることはありませんね。後ろは畳すれすれくらいが、お草履を履いて一段上がったときに美しく見える丈です。
そうしますと、長襦袢も伊達〆で上がったときでもきちんとくるぶしにかぶるくらいの身丈がほしいということですね。

着姿だけのことでなく、長襦袢には着物を汚れから守るという役割があります。足首、手首の丈が短いと体の汚れが着物に直接付いてしまいます。夏場には汗や皮脂も増えますから尚更です。

ちなみに、昔はおしりのところにだけ居敷当を付けたりしましたが、今は表にうつらないよう、居敷当は脇線から後ろにぐるりと付けます。着物と長襦袢両方に居敷当を付けますと生地が多い分暑さも感じますので、どちらか一方に付けるのが一般的でしょう。
どちらがいいかはお好みもありますが、私は着物のほうに居敷当を付けています。着物を大事にしたいですし、着物に付けたほうが裾さばきがよく歩きやすいように思うのです。

透ける着物に、長襦袢も透け感の強い絽などをお召しになる場合は、筒袖の肌着と裾よけをきちんと付ければ大丈夫。ステテコの場合はゆったりと幅広のタイプを選びましょう。脚の部分が細身のタイプは、脚のラインが透けて見えますし、肌に近いので暑く感じるように思います。

阿波しじらや浴衣で花火大会やお祭りなど夜のイベントに行くなら、日中ほど透けも気になりませんので、肌着と裾よけやステテコの上に一枚さらりと身にまとい、涼しく着るのもありですね。そんなときは、着付けの紐もきつきつに締めずに少しゆったりと、風が通る感触を楽しむのも良いものです。阿波しじらや麻の着物は、生地にしぼがあり要所要所さえちゃんと締めれば、そうそう着崩れしないのもうれしいポイント。周囲の方からも、涼しげで素敵に見えますよ。

反対にやわらかものを着るときは、しわやゆるみのないようにぴったりと着付けたほうがすっきりお洒落に見えます。汗が付くのが心配な方は、やわらかもののときこそ下に着るものをきちんとして、汗をしっかり吸い取ることです。
汗対策については毎年あれこれご紹介してまいりました。(コラムを見る:2015/52016/62017/7
現代の私たちは昔の人のように汚れたら自分で洗い張り、縫い直しということができません。その分知識をもって適切な対応をすることが、大切な着物を美しく保つために必要なのです。
本店では7月に汗対策の講座も開催いたしますので、お近くの方はぜひご参加になってみてくださいね。


こまごまと申し上げてまいりましたが、夏物は「透けるものを楽しむ」ことこそが醍醐味です。
昔の庶民は、贅沢を禁じられて派手な着物が着られない分、着物の下に金魚や流水など夏らしい涼しげな柄の長襦袢を着て、わざと透かしてお洒落を楽しみました。そこから、紗袷という季節限定の仕立て方にも発展していったのです。
繰り返しになりますが、「長襦袢をきちんと着る」こと、これさえ気をつけていただけば、透ける着物をそんなに心配しなくても大丈夫!昔の人のように薄物ならではのお洒落を楽しむ心のゆとりをもって、夏の着物を着こなしたいですね。

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