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2020年9月掲載ゑびす足袋の白記さんと対談
美しさと機能性
自分にあった足袋を履こう


皆様足袋はどんなものをお使いですか?お洒落は足元からとも申しますし、私も着物や帯だけでなく、足袋もそれなりに気をつかって履いていたつもりでしたが、たびたび催事に入っていただくゑびす足袋さんに足を採寸してもらって、自分にあったサイズと形の足袋を履いてみたところ、楽で足がとてもきれいに見えて、しかも楽だったのです。足袋でこんなに足元が変わるなんて驚きでした。

今回は、創業万延2(1861)年、160年続く大阪の老舗足袋商「ゑびす足袋 本舗」代表の白記澄子さんに、サイズの大切さや足袋の機能、またどんな風に足袋を選んだらよいかなど、お話を伺いました。

女将:ゑびす足袋さんで採寸してもらった足袋を履いてびっくりしたのは、まず痛くないということですね。縫い目があたるというのも、そういうものだと思って履いておりましたけれど、それがなくて。どこが他の足袋と違うところなんですか?

白記:まずは独自の縫製技術で、縫い目が細かいということでしょうか。丸い部分もきれいに丸くなりますし、足にあたるということもありません。あとは、弊社の足袋の生地はオリジナルで綿でもガサガサせず、足にストレスを与えないようソフト仕立てに加工しているということや、採寸して足にあったサイズと形の足袋だというのもあると思いますね。楽だけれど、ほっそりきれいに見えるように様々な工夫がしてあります。

また昔から、足袋は小さめを履いて痛いのを我慢して履く!ことが足袋のきれいな履き方と言われてましたが、長年小さめを履いて足の指の形が変形されている方もいらっしゃることから、シワがなく指先はキツくない足袋をご提案するように変えました。

女将: 痛いのは辛いですものね。今まで足袋はサイズとせいぜいゆったりか細身か、くらいの選択肢と思っていたのですが、いろいろな形があるのですね。

白記:弊社3代目が何千人もの足型を分析し、大学教授指導のもとに人間工学に基づいた足型の研究を行って、現代人にあわせた形で足型を作っています。女性のサイズでは16種類の足型、他にも外反母趾に即したものなど、かなりの数の型がありますので、オーダーしなくても約85%以上の方が自分にあったものを見つけていただけると思います。

女将:そんなにあるんですね!

白記:そうなんです。足袋はメーカーによっても形が違うので、昔は、お客様が自分の足にあった足袋をよくご存知で、ここのメーカーのこのサイズとお決めになっていたそうです。あちこち履き比べて選んでいただいてもいいと思いますし、うちの場合でしたら採寸にきていただいて、ピッタリのものを選んでいただけたら嬉しいですね。

女将:足袋は消耗品ですものね。自分にあったものを知っておくのは大切ですね。あとは、足袋は足にあったものを履いていると疲れにくいような気がします。

白記:弊社の足袋は、足のアーチを作って土踏まずの筋肉をサポートする働きもあるんです。あとは、足袋の裏が綿で滑らないので、踏ん張りもきく。それにはピッタリサイズを履かないとだめです。痛いから、楽だからと大きいサイズを履いてしまうと、足が中で泳ぐのでかえって疲れてしまいます。

女将:「こたび」というつま先とかかとがない、土踏まず丈の足袋も履かせていただいていますが、サポーターみたいでとても足が楽です。

白記:「こたび」は、浴衣のシーズンには下駄に、洋服でもサンダルにあわせていただくなど、いろんな場面で足袋の足裏サポートの機能を実感していただけると思います。踏ん張りがきくので、ヨガなどでも愛用してくださっている方も多いんですよ。

女将: なるほど。そういえば、私の小さい頃は運動会で地下足袋を履いて走りましたよ!はだしか地下足袋だったら絶対地下足袋のほうが踏ん張りがきくから早いですよね。子供用の白い地下足袋があったの。え?知らない?

白記:地下足袋で走ったことはないですけど(笑)理にかなってますね。

女将:昔のお話すぎたかしら(汗)そういえば、足袋の履き方も、今はよく知らない人も増えていますよね。足袋を折り返して、足先から入れるというのも‥‥。

白記:そのように履いていただくのには理由があって、中心軸があわせられるという大事なポイントがあるんです。指をしっかりといれてから足を包むと、ねじれないできれいに履けます。

女将:なるほど。履きやすいからというだけでなく、理由があるんですね。

白記:そのあと、かかとを包んでまっすぐひっぱりあげ、こはぜを止めるときには、足先を伸ばさず、足首と垂直にするようにすると筋肉がふくらはぎに縮むので足首が細くなる為、止めやすいですよ。

女将:なるほど。こはぜをかける掛け糸は、1カ所に2本ついていますけれど、2本にかけても1本にかけてもいいのですよね。

白記:はい、サイズ調整用ですので、ご自分の足にあわせてよい位置でとめてください。1本は予備と思われている方が多いですが、違います(笑)

女将:素材もいろいろありますけれど、何を選んだらいいのでしょうか?

白記:基本は綿足袋か、綿とポリの伸縮足袋ですね。やはり天然繊維のほうが着物には優しいです。ナイロン製品は、絹の着物との相性はよくありません。化繊は静電気を帯びるのでホコリを吸い、糸が強いのと放電により、八掛を痛めてしまうこともあるんです。あとは、安価な足袋はすぐにボロボロになるのでコストパフォーマンス的にも、どちらの足袋がいいのかも見て欲しいですね。

女将:何気なく履いていた足袋ですけれど、お話を伺って、大切な着物には、やはり足袋も気を使って、ピッタリのものを気持ちよく履きたいと改めて思いました。

白記:もし歩きづらかったり、ぶかぶかしていたりということがありましたら、足袋も一度見直してみていただきたいですね。足元の形だけでなく、疲れ方が変わりますから。

足袋について目からウロコがいっぱい落ちた、とても楽しい白記さんのお話でした。着物もそうですが、昔から同じ形で継承されているものは、どうしてそういう形になったのかという「意味」と愛され続ける「理由」があるのだなあと、お話を伺ってしみじみといたしました。ありがとうございました。