2016年6月掲載

雨にも負ケズ、汗にも負ケズ!?知っておきたいお手入れ&対策


皆様こんにちは。早いもので、今年ももう半分が過ぎようとしています。
いち利の着付教室では「今年は○回以上着物を着るわ!」と目標をたてた方もちらほら。順調に達成できていらっしゃるでしょうか?

6月は入梅。そして7、8月は猛暑と、着物を着るには憂鬱な季節ですね。
着物の大敵である「雨」と「汗」。
着物は濡れることでシミになるのはもちろん、縮んだりシワになったりします。

さらに、汗の汚れは人間の体から出る老廃物と水分ですから、「丸洗い」=油性溶剤によるドライクリーニングでは落とせません。
また、仕上げのプレス加工によって、汗で汚れた部分が熱で黄色く変色しやすくなります。
ワイシャツでも、マメにクリーニングに出しているのに、首や脇が黄色くなっていることがありませんか?それと同じなのです。

汗で汚れた着物には「汗抜き」というお手入れが必要です。水分を使って汗汚れを落とし、その後にファンデーションや皮脂、埃などの汚れがあれば丸洗いします。
汗抜きのほうが丸洗いよりお高いですし、汗抜きが必要かどうかは素人目にはわかりませんので、プロに見てもらわなくてはいけません。

この費用と手間を軽減するため、そして何よりもお気に入りの着物をずっと美しくお召しいただくために、毎年この季節には汗対策を熱心におすすめしております。

私が愛用しているのは、汗取り肌着にローライズステテコ(脚の間の汗をしっかり吸収してくれる優れもの!)。汗取り肌着の下にはサラシを巻いて補正と脇汗取りにします。
ちなみに、サラシをぐるぐる巻くと暑いので、短く切って2枚重ねに縫った「特製サラシ」を使っています。

たくさん着込んでいるようですが、しっかり汗取りすることで逆に体感温度が上がるのを防いでくれます。麻や新素材など夏用の優れた生地もたくさん出ていますので、想像されるよりずっと快適なこと請け合いですよ。

そういえば何年か前ですが、一枚の夏着物を夏の間ずっと着まわしていた方がいらっしゃいました。
お出かけのお写真も残っていますが、同じ紺の夏物をいつもお召しになっています。
「私は汗取りをうんとしっかり着るんですよ」とおっしゃっていたのですが、秋になってその着物をお手入れに出されたときに、本当に汗がついていなかったんです。悉皆士さんも「本当に何度もお召しになったんですか?」とびっくりしていました。

そのとき、その方が本当に喜ばれて。自分がきちんと頑張ったことが、ちゃんと結果になっていた。そのことが嬉しいとおっしゃっていたのが、今でも忘れられません。

心を込めて大切に、お手入れしながらお召しいただくと、着物は次の世代まで伝えることもできます。
汚れるままにお手入れもしなければ、着物はただの消耗品になってしまいます。
特に夏物はそれが顕著です。雨や汗で強いダメージにさらされてしまいますから。

昔は、大切な着物を着る前には石鹸で肘まで洗いなさいと言われたものです。手垢をつけないようにというだけでなく、体を冷やすことで汗をかかないようにするという知恵もあったのかもしれませんね。

慌しい日常の中で、そんなふうに心を落ち着けて丁寧に着物に向かうことは、心にも一服の涼を届けてくれる気がいたします。
今年も猛暑の兆しではありますが、夏こそ着物の良さを満喫するチャンスですよ!

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