2015年12月掲載

テクニックいらずで美しい着姿に!「マイベスト寸法」を知ろう<上級編>


12月に入り、日に日に寒さが増してまいりましたね。この時期からは、毎年「足袋インナー」が手放せません。足袋の下に履けるくらい薄手なのに、膝下をポカポカに暖めてくれる優れものなのです。

さて、先週に引き続き寸法のお話、今週は上級編です。

初級編では、基本的な寸法のチェックポイントと着崩れの原因などをお話しいたしました。といっても、体つきは人それぞれですから「基本の寸法は合っているのに、なんだかきれいに決まらない…」ということもあると思います。
今回は、体型別のお仕立てオプションをご紹介いたします!

☆腰張りさんには「スマート仕立て」☆
身幅は、下前がしっかり左腿にかぶるくらい必要ですが、腰や腿が張っている方の場合、スカートのように広がって見えてしまうことがあります。
こんなときは「スマート仕立て」にすると美しい裾すぼまりのラインが作りやすいです。腰から裾にかけて少しずつ細く、2分くらい引くのが一般的でしょう。気になる方は、お仕立てのときにご相談なさってみてください。

☆「抱き幅」を調節して胸まわりスッキリ☆
スリムで肩裄の長い方は、脇がダブつくのが気になりませんか?
肩裄を長くとるとき、スリムな方は肩幅を狭く、袖のほうを多く割り振りたいところですが、反物の幅は決まっていますので極端な割り振りには出来ないのですね。すると、お体に対して肩幅が余ってしまうのです。
こんなときは仕立ての際に「抱き幅を狭く」と指定されると、比較的すっきり着られるようになります。とはいえ、狭すぎると身八つ口から胸や脇が見えますからご注意を!
反対に、バストが豊かな方は抱き幅を広くすれば、胸まわりはゆったり、腰から下はすっきりと着られますよ。

☆腰高さんは「衿下長め」で足長効果UP☆
一般的には身丈の2分の1が褄下になるのですが、最近は昔よりずいぶん腰の位置が高い方が増えました。
腰高さんの場合、これでは衿先がおはしょりよりもうんと下まで出て、なんだか間が抜けて見えてしまいます。せっかくスタイルがいいのにもったいないですよね。
「褄下を長め」にされると、断然すらりと美しい着姿になります。といっても、長すぎると今度は衿先が上になりすぎて、着崩れの原因になります。なんでも「程よく」というのが大切です。

☆衣紋が詰まるときは「くりこし」をプラス☆
着付けたときはきれいに抜けた衣紋が、動いているうちに詰まってしまうことはありませんか?
衣紋抜きを使っても詰まる場合は、くりこしが少ない可能性があります。くりこしが少なく、つまり衿が男物のようにまっすぐ付いていたら、いくら引っ張っても首に付いてしまうのです。着物はもちろんですが、昔に仕立てた長襦袢をお召しの方は、長襦袢のくりこしが少ないものがあるので要注意です。


くりこしに限らず、まず長襦袢の寸法をきっちりとご自分にあったものにされることはとても大切です。土台が美しく出来ていれば、着物はその上に自然と沿ってくるものです。
既製品の長襦袢やうそつき襦袢でも、できるだけご自分に合うものを選ぶと着姿が変わりますよ。


昔は、着物の寸法は「女並(標準)」「男並(大きめ)」という大まかな寸法で仕立てたものです。昔の人は、今のようにきっちりとは着付けていませんでしたし、働くときの着物は裄や袖丈を短くして動きやすくするなど、使い勝手を重視していた面もあったでしょう。

現代の私たちにとっては、着物はやっぱりある程度「よそゆき」ですから、自分に合うものを美しく着たいですよね。
着物の寸法は、まず一枚仕立ててからがスタートです。
せっかくの「おあつらえ」ですもの。「もっとこうしたい!」ということをどんどんご相談なさって、「マイベスト寸法」を見つけていってくださいませ。

ちなみに私、まだ若く着物の道に入りたてのころには、自分で思いついた仕立てのグッドアイディア(?)を実際にやってみたら、なんだか具合の悪いものが出来上がってしまった…という苦い経験を何度かいたしました。
昔から「これはこうするものだ」と決まっているルールには、実はちゃんと理由があるものなのですね(しみじみ)。

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