2016年2月掲載

たかが?長襦袢 されど!長襦袢 着姿を左右する「土台」のチカラ


ぽかぽか陽気のお正月から一転、真冬らしい冷え込みか続きましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか。
私は、冬用の肌着や膝下丈の足袋インナーをしっかり付けて出勤しています。着物って実はかなりの重ね着ですから、洋服より温かいくらいなんですよ。

さて、今回は「下に着るもの」。
長襦袢についていくつかご質問をいただいています。

前回「訪問着の下には白を避けて、淡い色の長襦袢」と申し上げましたら、「白は礼装用だから、訪問着にもOKなのでは?」というお声をいただきました。
化繊の仕立上がり長襦袢で白を持っている方もいらっしゃるようですし、レンタル品で白の長襦袢が用意される場合もあるでしょう。

ですが、「白の長襦袢は留袖か喪服用」と覚えておかれたら、どなたから見ても間違いないでしょう。
訪問着といっても、格の高いお柄で紋の入ったものからワンピース感覚のものまで様々です。そして、いずれも「準礼装」になります。
白の長襦袢は「第一礼装」に用いるのが本来ですから、訪問着や色無地の場合は避けたほうが無難なのです。

そして、「よそゆき」か「カジュアル」かによって、長襦袢の立ち位置も変わってきます。
「よそゆき」のときは、長襦袢はあくまで添え物。せっかくのよそゆきの着物を邪魔しないよう控えめに、同系色のぼかしなどの方が着物が映えますでしょう。

「カジュアル」の場合は、長襦袢も陰の主役になることができます。うんとシックな紬の下に、遊び心のきいた友禅柄の長襦袢を合わせたり、色もえんじやからし、緑など内袖ではっと目を引くようなものですと、より洒落た感じになりますね。
いち利では、「今日の長襦袢、見て見て〜」と着物や帯はさておいて長襦袢自慢が始まることも!表に見える着物では気恥ずかしいような大胆な色柄やご自分の好きなモチーフなど、とことんこだわることができるのも長襦袢の楽しみですよね。

次に、素材のお話をいたしましょう。
初売で「正絹長襦袢地9,800円」という目玉商品を数量限定でご用意したところ、それをお目当てにたくさんのお客様がおいでくださいました。
「どうせなら正絹の長襦袢がいいから、このお値段なら一枚持っておこうと思って!」と、皆様異口同音におっしゃっていたのが印象的でした。

長襦袢の素材は、絹以外にも化繊や麻、綿と化繊のうそつき襦袢などもあります。
「下に着るものであまり見えないなら、洗えるほうがいいのでは?」というおたずねもいただくのですが、大勢の方が「どうせなら正絹」とおっしゃるのにはやっぱり理由があります。

表のお着物との添いの良さ、着心地という点では正絹が一番です。
私は、二部式のうそつき襦袢のときでも、替え袖と裾よけは正絹のものを使っています。特に足さばきは、静電気のせいもあってか化繊だと裾がもたつき歩き難いと思います。

夏涼しく、冬は暖かいのも正絹の素晴らしいところです。夏場の化繊の暑さは皆様ご経験がおありのことと思いますが、冬に化繊の長襦袢を着るのも、ひんやりと体が冷えるものです。

うそつき襦袢は、毎日着物を着る方にはざぶざぶと洗えて便利です。
ただし、やわらかものの着物、特に無地などをお召しになるときは、二部式の上下の境目がはっきり表にうつることがありますので気をつけて!

ちなみに、またまた若い頃の失敗談なのですが・・・
もう絶対着ないだろうという色無地を、長襦袢に仕立て直したことがあります。
その着心地の悪さといったら!
薄めでさらっとした生地とはいっても、着物と長襦袢では使っている糸から違うのですよね。
重くて添いが悪く、本当に最初の一度しか袖を通さなかったくらいでした。

たまに、派手になってしまった小紋を長襦袢に仕立て直そうかというご相談を頂きますが、やっぱりそれぞれ素材感は別もので、何より着心地が良くないと結局着なくなってしまいますよね。


今からマイサイズの着物をひとつずつ大切にそろえていきたい方には特に、まず正絹の長襦袢を一枚、ぴったりの寸法でご用意されることをおすすめします。
誰しも着物を始めようとなったら、まず素敵な着物や帯に目がいきますよね。長襦袢は中に着るものだけに、後回しになってしまいがちです。
ですけれど、衿元がくずれたり、衣紋が抜けない原因は、長襦袢の身幅やくりこし、衿の高さなどであることも。
ぴたっときれいに着られる長襦袢なら、表の着物もさっと決まって着崩れしにくくなります。

お譲りもののお着物なども、マイサイズの長襦袢を基準になさって、八掛を替えたり洗い張りをするタイミングで寸法を合わせていかれると、テクニックいらずで美しく着付けられる、無駄の無い着物揃えになっていきますよ。

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